11月24日25日の二日間にわたって上演した第2回吉川市演劇事業「あゆみ」が多くのお客様のご来場をいただいて無事に幕を下ろすことができました。
結婚式で腕くみ歩く父と子の姿を笑顔でうなづきながら見ていた方、母の死を新幹線の中で知り絶句するシーンで涙を流す方、舞台上からそんなお客様の姿を見て、共感を得られる良い作品になったなと実感しました。
2回目の今年は知った顔も多いなかで和気あいあいとスタートし、終盤はよいものを作ろうとする演出家の要求に応えるべく必死でかなり大変な稽古中でも、シニアの方々が文句ひとつ言わず、休憩になるとお茶菓子と笑いが飛び交うけいこ場でとにかくにぎやか!
私は今回、出演だけではなく演技指導として、市民側のまとめ役としてもかかわりを持たせていただくことができました。
そしてその稽古に付き合う吉川市生涯学習課、さいたま芸術劇場のスタッフ、公務の合間に顔を出してくれる吉川市長のみなさまには本当にお世話になりました。
もとは蜷川幸雄さんが作られたさいたま芸術劇場でおこなわれている「さいたまゴールドシアター」を参考に、蜷川さんや埼玉芸術劇場の協力もあり始まったこの企画ですが、55歳以上が参加条件のゴールドシアターと違い吉川市では年齢制限がなくその分多様な方たちが集まっています。
一番の大変さは年齢の違いによる生活時間の違い。稽古をしようにも集まることも一苦労!
互いの違いはその抱える問題の違いでもあり、それは非正規、長時間残業、メンタル疲労、ワンオペ子育て、老々介護、老い・・・多岐にわたります。
様々な社会問題の真っただ中で生きているメンバーが世代で遮断されることなく共にかかわり一つのものを時間かけて創り上げていく。
この場がなければ知らなかったこと、知らないと見ないふりをして切り捨ててきたことことも、一人一人を知るにつけ知らないことではなくなり、多様な互いを認め、互いに補いあっていく。
そしてそのメンバーたちの作り上げた舞台に共感するお客さんがいる。
国際的に社会課題解決のための活動をしている方に以前言われました。
「社会課題の大半は共有することで解決する。演劇にはその力があるのかもしれない」
「演劇を応用して社会に生かしていきたい」という思いから始めたASLa
活動形態は変化しつつも、その思いは変わらず今度も続いていきます。